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「知らないわよ。何だっていうのよ、それが」
「所謂古史古伝に分類される古文書だ。カタカムナ文献とは、この日本にまだ文明と呼べるようなものが発達していなかったような時代に記されたと言われる科学書だそうだ」
「……トンデモ本ってやつ? どうせデタラメでしょ」
古史古伝とは、古代史の史料ではあるがその内容があまりに突飛であるため、信憑性を疑われている文献の総称である。
カタカムナ文献もまた、その偽書にカテゴライズされる文書の一つであるという。
「仰る通り真偽の方は定かではないがな。カタカムナ文献が特徴的なのは、他の古史古伝と違ってその内容が“歴史”ではなく“科学”である点にある」
「……!?」
「カタカムナ文献に記されていると言われている内容は、超古代の科学技術。それは、現代の文明がまだ達していない域のものであるという」
説明に熱がこもるあまり、ウンチくんは一度メガネをクイッと上げた。
「すなわちその古史古伝を読み解くことで、現代科学では実現しえない恩恵を受けられるかもしれないんだ」
「……!」
いつしか手に汗握って説明に聞き入っていたもも子は、ウンチくんに質問を投げかけた。
「じゃあそのカタカムナ文献には、もしかしてあたしのおならを治す方法も……!?」
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