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「へっへ~ん!ぼくは保育園に入れてない待機児童だからね。毎日ヒマなんだ!ドラえもん見ながらたくさん練習したんだぜぃ!!」
くるくるチャキッ!
くるくるパッ!
しょう君はチャカをくるくる回しては構え、くるくる回してはポケットにしまうのを繰り返しています。
その構えのカッコいいことカッコいいこと。これにはほおずき組もかしわ組も釘付けです。
「やべぇ!!マジでかっけえ!!」
「ボクもそれやってみたい!」
「ぼくも!」
「めいも!!」
「えっ、めいちゃんも!?」
「なによー!女だからってのけものにする気!?」
「いや、そんなつもりは……」
「てか、それ俺のだから!返せよー!」
一つのチャカをめぐって公園は大騒ぎです。
その時、公園に鳴り響いたのは、トランペットの音でもなく、バンジョーの音でもなく。
―――かーらぁーすぅー…
なぜなくのぉー…
からすはやーまーにー――
のんきな五時のサイレンでした。
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