二十一歳、残業前

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予想通りネジだけを抱えて佐々木が戻って来た。そしてまた罵声を浴び、弾かれたように走り出す。今日もお馴染みの光景だ。 玉のような汗を浮かべ、苦笑いを浮かべる佐々木に無性にイラつく。なんで怒られてるのに笑ってるんだよアイツ。 私はこれ以上心を掻き回されたくなくて自分の足元に視線を送る。勤続二年の安全靴はくたびれたすり切れかたをしていた。
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