第1話

第1章

夢。夢とは何だ。

自分が無意識に想像しているものなのか、元から作られていたものなのか、誰かからのメッセージなのか。

僕にはわからない。

例えば、自分の想像によるものだったとしよう。それならば、だだの楽しい異次元ストーリーだ。その中で何をしようとも、誰も傷つけないし、裁かれることも無い。

だが、それが誰かからのメッセージだとすれば、それは何のために送られてきたのだろう。どんな方法を使って、何を伝えたくてそうしたのだろうか。

もしかすると、現実世界からのメッセージなのかもしれない。現実世界で起きることを事前に教えてくれている。つまり、予知夢。

そう考えてしまうと、今、自分が立っている場所は夢か現実か幻かわからなくなってしまう。

そんな風に考えるようになったのは、いつからだろうか。そう聞かれたならば、僕はすぐに答えることができるだろう。あの夢を見ることがなければ、こんな風に考えることもなかったのだから。