第1章

4/4
前へ
/4ページ
次へ
「なぜおまえが僕が見た夢の内容を知っている!?」 「いやだなあ、そんな険悪な顔しないでよ。」 へらへらと僕のことをからかっているかの如く、笑っていた。 だが僕はそいつの言葉など頭に入ってこないほど、脳内が渋滞していた。思考が回らなかった。 まず僕が何かしらの罪を犯したということが間違いだ。 僕が何をしたっていう。 ただ、夢の中の異次元を楽しんでいるだけだ。 それに、基本僕は人に夢の内容など話さない。話したことはあるが、あの夢のことは話したことがなかったのだ。 なぜ、あいつは知っている? つまりだ、それは……。 「わかるよね、もう、なんとなくでもさ。」 「……」 「はあ、いい加減あきらめて認めなよ。  他にも知ってるからね。キミの犯した罪について。」 「僕の……犯した罪?」 「そう、キミの罪。」 頭がオーバーヒートを起こしそうだ。気がどうにかなりそう。僕は夢を見ているのだ。起きればすべて忘れる。 僕の犯した罪?それが僕が見た夢に関係するってか? 「そうさ。キミの犯した罪は夢に関係する。  つまり……キミの夢はつながっているのだよ。    そこにキミが捕まる理由がある。探してみなよ。  俺はここで待ってるから。」 運が良いのか悪いのかわからないが、この変な夢はここまでだった。 瞼を開けると、そこにはいつも見る天井が広がっていた。 この夢がすべてのきっかけだった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加