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「なぜおまえが僕が見た夢の内容を知っている!?」
「いやだなあ、そんな険悪な顔しないでよ。」
へらへらと僕のことをからかっているかの如く、笑っていた。
だが僕はそいつの言葉など頭に入ってこないほど、脳内が渋滞していた。思考が回らなかった。
まず僕が何かしらの罪を犯したということが間違いだ。
僕が何をしたっていう。
ただ、夢の中の異次元を楽しんでいるだけだ。
それに、基本僕は人に夢の内容など話さない。話したことはあるが、あの夢のことは話したことがなかったのだ。
なぜ、あいつは知っている?
つまりだ、それは……。
「わかるよね、もう、なんとなくでもさ。」
「……」
「はあ、いい加減あきらめて認めなよ。
他にも知ってるからね。キミの犯した罪について。」
「僕の……犯した罪?」
「そう、キミの罪。」
頭がオーバーヒートを起こしそうだ。気がどうにかなりそう。僕は夢を見ているのだ。起きればすべて忘れる。
僕の犯した罪?それが僕が見た夢に関係するってか?
「そうさ。キミの犯した罪は夢に関係する。
つまり……キミの夢はつながっているのだよ。
そこにキミが捕まる理由がある。探してみなよ。
俺はここで待ってるから。」
運が良いのか悪いのかわからないが、この変な夢はここまでだった。
瞼を開けると、そこにはいつも見る天井が広がっていた。
この夢がすべてのきっかけだった。
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