かぞくのかたち

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部屋の中はますます硝煙と血の臭いが充満していた。 玄関口のすぐ近くの部屋への入口にももう一人、喉を切り裂かれ絶命している男が1人。 それを横目に見ながら奥へと進むと、銃撃戦の跡らしく、壁や家具に幾つかの穴があいていた。 「怪我はないかマリ?」 正樹は後ろを振り向かずに言葉を投げる。 「はい。大丈夫です」 「そうか」 正樹はマリの返事を聞くとそのまま、奥の部屋へと足を踏み入れる。 そこには頭を撃ち抜かれた男が2人、心臓を撃ち抜かれた男が1人息絶えていた。 正樹は部屋の奥で頭を撃ち抜かれ、既に事切れた男の前に立つと、懐から小型のLEDライトを取り出し男の顔を照らす。 「……過激派の橿原 啓吾で間違いない」 男の顔を確認した啓吾はそう呟くと、襟首に着けてあるマイクに向かって言葉を紡ぎだす。 「……こちら平野。目標の死亡を確認した。処理班を回してくれ」 『……了解。今回の作戦で『娘』の破損、損壊を含めたこちら側に損害はあるか?』 「いや、特にはない。マリもピンピンしている」 『了解。では、すぐに処理班を向かわせる。後は処理班と見張りに任せて帰還せよ』 「了解」 通信を終えた優也は後ろを振り向き言葉を投げる。 「帰るぞマリ」 「はいっ」 言葉を受けたマリは無邪気な笑みを浮かべながら応えた。
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