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正樹が運転するランサーエボリューションⅤは、郊外の人気の少ない山の中腹にある大きな施設の門の前に到着すると、停車した。
門の前には守衛が2人立ち、監視カメラが複数台設置されている。
門にはこんな文字が刻まれていた。
『国営 平和研究開発公社』
平和な社会を目指し、そのための手段を研究開発し、テロやゲリラによって身寄りをなくしたこどもを引き取り育てるという施設である。
が、実態はそれだけではない。
身寄りをなくしたこどもに身体能力を大幅に向上させる人工筋肉や、チタンや強化カーボン等の人工骨格等を埋め込み、対人格闘術や銃火器、刃物の扱い方を徹底的に叩き込み、洗脳、調教により従順な対テロ、ゲリラ戦闘員を作りあげ、運用する政府直属の組織なのだ。
正樹は近寄ってきた守衛に身分証明書を示した後、門の中で厳重な本人確認を受け、車を施設の中へと進ませるのだった。
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