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「マリ、着いたぞ」
施設の奥にある建物の前に車を停め、正樹は助手席に座るマリに声を掛ける。
「……はい」
助手席のマリは正樹の言葉にさみしい表情を浮かべ、消え入りそうなか細い声で言葉を返した。
「どうした?」
元気のないマリの頭に手を乗せ、撫でながら正樹は問う。
「……正樹さんと離れるの寂しい……です……」
マリは幼い顔に寂しさを目一杯浮かべながら、すがるように上目遣いでそう漏らした。
「……マリはいい子だろ?また、すぐに会えるさ」
「……絶対ですよ?」
上目遣いのマリの頭を撫で続けながら正樹が言葉を掛けると、マリは正樹に抱き着いた。
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