第1章

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   真田さんの家の軒下に作られたツバメの巣には、   最終的に3つの卵が産みつけられて、ひなが生まれた。   真田さんは、ひなたちのことを、   ピーコA・B・Cと名付け、喜んでいる。   そのコメントを見ていると、私は不思議な気分になる。   『私は部屋にいます。けれど、心は真田さんの    家の軒下にいて、ツバメの巣立つ日を心待ちに    しています』    親鳥は、育ち盛りのひな達のために、絶えず飛び回り、    餌を与える。    私の家のツバメのカップルも、四羽のひなを産み、    餌やりを始めた。    ツバメの子供は皆同じに見える。真田さんは、A・B・C    と名付けたひな達が、あまりに似ていて区別がつかないと、    ブログの中で明かした。        私はそれを見て、くすっと笑った。          
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