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「こら、奈々緒。
まだ足りないの?」
「そうじゃないけど
なんとなく」
「なんとなく、ね」
おかしそうに言いながら
温人さんが私のナカから
ゆっくりと出て行く。
私に見せつけるように
存在を思い知らせるように
ことさら時間をかけて。
完全に抜け切ると
物足りなさと
寂しさを感じ
そんな自分の浅ましさに呆れた。
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