第1章

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** 「綺麗だ…」 そう言ってひとつ頭を撫でて、 私から離れようとする。 あなたを感じたいのに… 羽根のような唇と指先で… 触れないほどの微かな感触が 私を酔わせた… 全身であなたを感じたいけど、 それを許さないとでも言うように、 私に少ししか触れてくれない それにすごく感じてしまったのだけど だけど、 だけど、 こんなのはイヤ。 ちゃんと愛してほしい… 私から離れようとする手を掴まえて… 「お願い… 抱いてください 一度だけでいいの… 一度だけで 」 このままでなんて… 悲しい。 彼の首に腕を回して 耳元で懇願した… 少し困った顔をしながら、でも、 次の瞬間、 さっきの彼とは違う人のように私を押し倒し、 シャツのカフスを外して 前立てのボタンを引きちぎるように外したかと思うと… 荒々しいキスを落とす…
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