29人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
そんなことを言ったのにも関わらず、
表情ひとつ変えないオーナーさん
目の前に座るとさすがに顔もはっきりと見えるし、
スーツの前ボタンをはずして座ったときのまま、
身じろぎひとつ
なさってない。
私の顔をじっと見たまま。
いつもの、
険しい顔。
私はその目から、
視線を外せない…
好きだって言ったわけでもないし、
もちろん付き合ってるわけでもないのに…
こんなことを言った私に呆れられているのだろうか。
話す言葉もない…と。
そう、
想っていらっしゃるのだろうか…
「……脱いで…」
聞こえた声。
低く、響く。
心の真ん中に突き刺さる。
自分から抱いてほしいと言う女は、
自分から服を脱がなきゃいけないってこと…?
私は覚悟を決めた
そして、
立ち上がり、
ソファーの脇まで行き、
背中を向けて…
背中のファスナーに手を回した…
最初のコメントを投稿しよう!