第1章

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泣きそうなのに… もう一度、背中を向け。 両手は背中に伸びて ホックをはずす なんで…私 こんなこと… そう想いながらも、 手は腰の布に手をかける 過去を捨てたいんじゃないんだ 今の私は、 オーナーさんのものになりたい その一心なんだ… 私、この人のことを… この人と… ひとつになりたいんだ。 昨夜、 私の部屋で、 この人の瞳の中、私をいっぱいに映してるのを見たとき、 ずっと私だけを映してほしいと、 心から願ったんだ… 涙は流さないように。 女の武器だと思われたくないから。 唇をきゅっと噛んだ。 そして、 体を屈めて、 最後の一枚を… 突然に後ろから抱き締められて、 堪えてた涙が… ひと粒。 頬を伝って…
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