第1章

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毎日の衣装であるドレスから、 体のフォルムはある程度想像できたが、 想った以上に魅惑的はそのクビレと膨らみに、 目が離せない。 「全部、脱いで 」 酷い男だ。 ここまでさせて、 ここまで連れ込んで、 泣かせて帰らせようと想っているのだから… やっぱり無理。 そう言って泣き出すのが関の山。 そうなったら、 冗談だよと、 レストランで食事でもして帰ろうと… そうしたらもうこんなことは言い出さないだろうと。 ここは、 各地からいらっしゃるVIPのお客様用にマンスリーでリザーブしてる部屋。 遅くまで飲まれて朝一で飛行機にお乗りになるお客様用のもの。 店の近くのホテルにも同様の部屋をリザーブしてる。 ここまで来たのは、 車の中で、 想ったのと違うと感じたとき、 空港で食事をして、 少しの買い物をして、 機嫌良く帰らせようと、 そう想ってたから。 ギャーギャーしゃべる女は嫌いだ。 落ち着かない。 そして、 何か話さないとと考えなきゃいけないような女も苦手だ。 喋らなくても、 落ち着いていられる女がいい… 空間だけでお互いを感じられる… まさに、 彼女はそんな女だったんだ だから、 部屋まで連れ込んだ。 賭けをしたんだ。 自分の中で。 部屋にたどり着くまでに、 どこに行くんですかとか。 そんなことを聞いたら、 引き返そうと。 でも、彼女は、 何も言わずに、俺の一歩あとを歩いて…
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