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部屋の前で立ち止まって動かなくなって…
そうだ。
引き返そう…
揺れる心の中は、
帰したくないという気持ちと、
部屋に入ったら後戻りは出来ないという気持ちが混在してて、
自分でもどうしたいのかも解らなくて…
彼女の動きに願いをかける
だけど、
彼女は、
足を踏み入れた。
このとき、俺は。
あのマリアのことなど微塵も考えていなかった…
後ろ姿で、
天使の羽根を背中で解き去って…
もうダメだ。
俺は立ち上がる。
上着を脱いで…
それを彼女に掛けようと近づく。
昔見た何かの映画で、
自分から服を脱いだ女に着ているトレンチコートを背中から掛けてやるシーンを真似るように。
だけど、
映画のようにはいかないな…
近づいた時に見えた
屈んだ脇の腕との隙間に見えた膨らみ
それに触れたくて…
理性は、
跳んだ。
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