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「今日のあなたはきまぐれなんかじゃないですよね? 俺の事を本気で好きだと思っていいんですよね?」
「…………ああ、そうだ。俺はお前が大好きだ、愛している」
諦めなくていいのか……そう問えば優しく微笑み頷いてくれた。高条も俺と同じように思っていてくれたことに、彼の前で我慢していた涙が溢れてくる。
「斎木さん!」
「高条っ」
お互いを強く抱きしめ合い、思いを確かめるように深く長く口付ける。
結局は高条も俺と同じ時に、俺を見て好きになってくれたようだ。だけど自分ではふさわしくないと必死にその思いを隠し、諦めようとしていたのだという。
しかし俺の仕事への姿勢に、必死に努力している姿を見かけるたびにますます惹かれてしまったようだ。
ちゃんと好かれていることを知り、今まで頑張ってこれたのは、高条に認めてもらいたかったからで、少しでも近づきたかったのだというと驚いた顔をみせた。
お互い無駄に遠回りをしてしまったが、これからはそれを取り戻す勢いで、いっぱい愛を確かめあおうと約束するのだった。
了
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