第1章

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「そっか……それじゃあ聞かせてもらえるように頑張らなくちゃな」 「――――ッ、やっ、そこ、だめっ!」  高条が深く指を埋め、ある箇所を執拗に嬲りはじめた。 「ダメだ、高条! だ、めっ……んんっ!」  高条が俺の前立腺を擦りあげる。必死に我慢していた声も塞げなくなるほど、露わな嬌声を上げてしまった。 「お願いっ、もうやめて……っ高条!」 「なんで止めるんだ? こんなに気持ち良くしているのに……感じているんだろ? だったら思いっきり乱れて、声も聞かせてくれよ」  再び身体を抱き上げられ、再び俺の身体を下に組み敷き、足を思いっきり広げられて、俺の中に入れられている指を激しく突き動かされる。 「ああっ、いやだ……止めてお願い」 「いやじゃなくて、気持ちいいってちゃんと素直に言え」  激しく指を出し入れされ、そのたびに前立腺を擦っている。きっとわざとだろうが、高条はこんなにもいじわるな男だっただろうか……。これも俺に対しての復讐なのだとしたら、それは甘んじて受けなくてはいけないだろう。  そうなれば、また自分で自分の口を塞ぐ。くぐもった声が出てしまうのは仕方ないだろう。少しでも高条の昂ぶりの妨げにならないように努力していく。 「…………だからなんで声を押し殺す。聞かせてくれよ、おれ斎木さんの声好きなんだ」 「――――!!」  耳元で囁かれ、ぬめっとした温かいものが耳の中へ入ってきた。  口を押えていた手まで外され、執拗に耳の中まで舐め回される。今まで感じたことがない愛撫に、抑えが利かずに甘い声を上げ出してしまった。 「あんっ……ソコだめ、だ。お願いもう許して」 「ちゃんと気持ちいいなら、いいっていわなくちゃダメじゃないか斎木さん。すごく感じているんだろ……中もホラ、グチュグチュこんな音まで響かせて、本当にいやらしい身体だ」 「違う、そんなんじゃ、んんっ???」  高条にいやらしい言葉を掛けられるたびに、身体が面白いほど反応してしまう。彼の言うとおりきっと俺は淫らな身体をしているのだろう。でも仕方ないだろう。長い間好きだった人に今抱かれているのだから。そんな彼が自分の身体を弄ってくれているのだ、その身体が悦ばないわけがない。 「高条ぉ……っ中もう」 「斎木さん、ちゃんと口にして」 「…………もう、早く入れて」
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