第1章

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 何度も家に連れ込んだのだ、仕方なくこの家に泊まったことが何度かあった。同じベッドに連れ込むことはできなかったが、リビングのソファで一人で寝ているところを、起こさないようにそっと彼の口唇に自分のを重ねた。  本当は起きてくれればいいのに、と何度も思った。だけど振られた今となっては、あれから少しでも彼と一緒にいられた時間が長くなったのだから、その時気付かれなくて良かったのかもしれない。  今日で彼の口唇に触れることもなくなるのだろう。だったらもっと強請らせてもらってもいいよな? 「口……開けて」  そう言うと、高条は少しだけ口を開き、俺はそこから覗いた舌を絡めとるように深く口付けた。  次第に高条も応えてくれるように、俺の口内を舌で舐めまわしてきた。舌を思いっきり吸いつかれ根元が痛くなる。負けじとこちらも深く彼の舌を味わうように絡めると、溢れ出す唾液が飲み込めなくなるほどで、口端から流れてしまう。 「んんっ……はぁっ」  長くお互いの口内を舐めまわしていると、それだけでイッてしまいそうなくらい感じてきてしまう。口内にも性感帯があるのだろうか。高条の柔らかい舌が、口の中で動き回り吸い付かれるたびに、何とも言えない気分にさせられる。    何度も深く交わり息が上がるくらい彼の口内を味わった。彼からも激しく求められそれだけで達しそうになり、慌てて高条を止める。 「もぅ、いい……ッん」 「もうお手上げですか? あなたから求めてきたのに」 「うるさい、まだまだこれからだ!」    強気な姿勢でそう答えるが、息が上がっているから迫力不足だろう。だけどここで止めるつもりはない。    そっと高条の衣類に手をかけ脱がしにかかる。    今まで想像の中で、何度も彼の裸体を思い描いていた。脱がしてみてそれよりもはるかに高条の身体は逞しい体つきをしていた。    照明は落とされている中、かすかな光に照らされた高条の身体から目が離せない。欲情した目で見てしまっても、いやな顔せずに高条はその身体を好きなだけ見せ付けてくれた。 「いい身体しているな……」 「そうですか?」  そっと手を這わせそのなだらかな肉体に触れる。ゆっくりとした手つきで触ってしまえばくすぐったかったのだろう、彼の身体が小さく跳ねた。  
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