第1章

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 手で触れるだけでは物足りなくなり、口唇でも直に感じたくて愛撫した。跡をつけることなどせず、ただその身体に軽くキスをする。胸板から腹部にも同じようにキスをした。    そして、そっとズボンに手をかけ、中へ手を伸ばそうとしたが、高条にそれを制止された。とうとう我慢できなくなって止めてきたのだろうか。でもここまできてお預けするなんてひどいじゃないか。 「止めるな、触らせろ」 「…………斎木さん……」 「頼む、まだッ」  止めないでくれ、もう少しお前を感じたいんだ――そう言葉にしようとした。    そしたら今まで好き勝手に触れさせてくれた高条が、俺の両腕をぐっとつかんで、勢いよくベッドに押さえつけてきた。    あまりの力強さに、いい加減怒ったのだろうかと思えるほどの強さに、腕が痛みを訴える。 「ちょっ、高条! 痛いっ」  覆いかぶさってきているため、光を遮られ彼の顔が近くにあるというのに表情が読めない。押さえつけなくても逃げるなどありえないのに、と思っていると、押さえつけられていた腕を離され、高条が俺のシャツを脱がしにかかった。 「えっ――?」  ゆっくりとボタンを外され、大きく前を開けられる。そして俺と同じくその肌を確かめるようにじっとりと撫で回してきた。 「――っ、高条! お前はそんなことしなくていい。俺がやるから」  男なんかの肌を触ってもつまらないだろう。忠実な彼のことだ、抱くからにはちゃんと手順を踏もうとしてくれているようだ。でも彼にそこまではさせられない。  じっと見つめられている感じはする。でもこの暗闇に近い中で、彼の様子を見ることはできず、その触れている手を止める。 「ちょっ……高条、それはいいからっ!」  制止する手などものともせず、高条の手は止めることなく俺の身体を愛撫し続ける。胸の突起も優しく撫でられ、少し硬くなったのを指で弾かれた。 「高条っ……くっ、ヤメッ」    止めようとしてもソコを触れるのを離すことなく続けられる。そればかりかもう片方の乳首まで弄りだした。彼のその手は俺の乳首にばかり触れ、離してくれそうにない。ならば彼の自由にさせようと、俺は声を抑えるため、空いている自分の手で自らの口を塞いだ。  
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