不思議の中へ。

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もうひとりの自分がそう言うなり、陸攻の頭に様々な記憶が流れ込んで来る。 まず、こちらの自分は扶桑国海軍兵学校65期の出身で、階級は既に海軍中尉。 一等巡洋艦足柄の甲板士官と飛行学生課程を経て、現在は空母赤城の艦攻隊に所属しているとのことである。 口そして意地の悪い教官曰く 駆逐艦かドン亀(潜水艦)乗組が関の山 …の陸攻にとって、これは実に意外であった。 どうやら一式中尉は、陸攻よりも兵学校の成績が良かったらしい。 念のため中尉の卒業席次を尋ねてみた陸攻だが、何故か中尉からの回答はなかった。 尚、同姓同名であるが故に、陸攻がもう一人の自分を中尉と呼ぶ事にしたのは言うまでもない。
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