第三話 月に願いを

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新たな一歩を踏み出すために、アキはこの部屋を離れる。 離れたからと言って、思い出が消える訳でも、忘れられる訳でもない事は分かっている。 『ゆい、その荷物詰めたら、ご飯食べに行こうよ。お腹空いたんじゃない』 荷物は全て詰めてしまって、この部屋では料理が出来ないのだ。 「マジでお腹空いたよ。 何がいいかな…、あっ、アキ焼肉にしょうよ 最近、焼肉食べてないから」 ”焼肉って、そんなに精つけてどうする” 『分かった、じゃ、焼肉にしょう。 ジンギスカンも食べたいから…』 とアキはどこに行こうか考えていた。 「ジンギスカンも久しぶり! 一人暮らしって、ジンギスカンとか鍋とかって遠くなるよね」 確かにゆいの言う通りだ。
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