第三話 月に願いを

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『そう言えば、二人とも昇進したんだよね。 古田課長補佐に京田主任、何か凄いね。 まだ、おめでとうって言ってないな』 つい一ヶ月ほど前まで、同じ企画部に居たのに、皆がとても遠く感じる…。 古田とは、半年付き合っていたのに、そんな感覚すらなくなっている…。 「明日、言えばいんじゃない。 二人とも、アキの事は凄く心配してる。 古田さん、こう言ってたんだ。 課長は出世しか見えない人間じゃないって信じてるってね。 古田さんは、いつも課長のそばに居て、そう感じたんだと思う。 冷静に考えたら、課長も辛いのかも知れないって思うんだ。 アキに辛い思いをさせてる事、悩んでるだろうし、辛くて、苦しいはずなんだよね。 男だから、顔には出せないだろうけど」
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