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[金]『家康お爺ちゃんか……。俺…家康お爺ちゃんの食事、色々工夫してたのに、何で痩せなかったの?』
[ア]『林太郎がとんでもねぇオヤツを徳川家康に食わせていたからだ。』
[金]『……とんでもねぇ…オヤツ?缶詰の汁?』
[ア]『いや…丸くて甘いヤツだ。』
[金]『丸くて甘い……?ああっ!!アレかっ!!丸くてビチャッとしててジュワッってくるとゾワッてするヤツ!!』
いや、語彙力っ!!!!
グラブジャムンの甘さを思い出したのか、コンの顔色が一気に青くなった。
[ア]『グラブジャムンだ。』
[金]『名前なんかどうでも良いよっ!!林太郎は、あんなに甘いモノを家康お爺ちゃんに食べさせてたのっ!?俺が苦労してるのにっ!?』
[ア]『一応、缶詰は地下牢にブチ込むから、今後、林太郎が徳川に何か食わせる事は無いと思うが……』
[金]『林太郎っ…絶対許さないからっ!!林太郎の食事には、芋虫の蒸し焼き出してやるっ!!』
…………コイツ、本当に陰険だなぁ。
[金]『あとは茹でた木の皮でも食べてれば良いんだっ!!!!林太郎のへちゃむくれっ!!!!』
………「へちゃむくれ」の使い方違くねぇか?
林太郎は、意気地無しでも役立たずでもないだろ。
[金]『俺っ、芋虫と木の皮取ってくるっ!!!!』
足音荒く、部屋を出るコン。
[新]『………父さん。僕…今日は林太郎君と一緒にご飯食べたくないな。』
[ア]『…………俺もだ。』
[半]『……………幼虫は貴重な食料。』
[源]『俺も、昔は良く食ってたなぁ。任務中に小腹が空いた時とか。』
[半]『生で食べるとトロトロしてる。焼くとホクホク。』
いや、そんな情報いらねえから。
[源]『尻の方から食わねぇと、口?頭?の部分が口に刺さって痛かったなぁ。』
いや、その情報もいらねぇわ。
[ア]『…………忍に…虫は嫌がらせにはならないんだな。』
[源]『食う物無けりゃ何でも食うだろ。大体…物心ついた時から普通に食ってたんだ。「幼虫は食い物」。それ以上も以下もねぇよ。』
………馬鹿女が聞いてたら、発狂しそうな話しだな。
[新]『………う~ん……食文化は、多種多様って事?』
随分とザックリまとめやがったな。
まぁ、俺も自衛隊の演習で色んなモン食ってるから何とも言えないが………。
[半]『…………だけど俺は魚が好き。』
カルシウム大好き初老ですもんね。
[ア]『虫も魚もどうでも良い。それより新。俺が居ない間に、新が行える事・行えない事をハッキリさせておく。ちゃんとメモ取れよ。』
[新]『分かった。』
新はノートと鉛筆を構えると、真剣な眼差しで俺を見る。
[ア]『まず、この城の一階には、医学関係の本が沢山ある。だが、それを読んだだけで「出来る筈」なんて勘違いはするな。患者の症状から状態や病状を判断するのは難しい。』
[新]『栄養不足の人に注射は出来るよ?』
[ア]『栄養不足かどうかを、お前は判断出来るのか?一部の栄養過多により、体調を崩す場合もある。その場合、栄養分を補充する事で体調が悪化する場合もある。』
[新]『………そういう場合もあるのか。でもさ、そしたら僕…母さんしか診れないよ。』
[ア]『そういう事だ。だから、比較的分かり易い病状と、怪我などの応急措置の仕方を教える。前提として、「薬はなるべく使わない」だ。』
[新]『何で?』
[ア]『俺が使う薬の殆んどは、原料に石油が使われている。体にはあまり良くない。まぁ…それでも適材適所で使わざるを得なくなるとは思うが……。だから、新には西洋医学ではなく東洋医学を教えるつもりだ。だが、今回は時間がない。風魔の里から帰ってきたら、本格的に東洋医学を教えるから、そのつもりでいろ。』
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