※※ 32 ※※

55/56
1095人が本棚に入れています
本棚に追加
/686ページ
俺は、盛大な溜め息を吐きながらコンの背中を見送る。 それにしても…アイツ、良く頭の回るタイプだな。 そして、考え方も……… もしかして、アイツも未来人なんじゃ……? いや、まさか…な。 一瞬過った考えを否定する様に、俺は軽く頭を振る。 つぅか…あの馬鹿が作った資料はどこにあるんだ? ここの何処かにあるんだろうか? 少なくとも、軍艦島でそんな資料を見た覚えはない。 発電機を取り外した後でコンに訊くか。 取り敢えず俺は、現場監督を続行した。 計8本の発電機を外し終え、俺は服部と林太郎の所へと向かう。 [林]『先生、お疲れ様です。』 [ア]『俺は指示してただけで何もしてない。』 [半]『………………アキラ、そういう言い方良くない。労って貰ったなら「どう致しまして」だ。』 えっ? きっと、お前も同じ事言うよな? 些か腑に落ちないが、取り敢えず「どう致しまして」と言っておく俺。 [半]『………………アキラ、良い子。』 いや、俺…四十路のオッサン。 俺と服部を見ながら、苦笑う林太郎。 [林]『先生と服部さんは、親子みたいですね。』 こんなピュアボーイな親父、嫌過ぎるわ。 [半]『………………アキラが息子だとメンドイ。』 お前にメンドイとか言われたくねぇよっ!! つぅか…お前、今、記憶ねぇよなっ!? [半]『アキラは友人の方が良い。』 そう言いながら、照れた様に顎を掻く服部。 クソッ…別にほっこりとかしねぇからなっ!! [半]『……………………………ところで、島津。』 そして、会話のデッドボール開始ですね? 慣れてる自分が嫌になるわ。 [ア]『島津の事だ。船でこっちに向かってるんじゃねぇのか?』 [半]『…………………船があれば、島津いらない。島津、積み忘れ希望。』 [ア]『残念ながら、島津は自力で積まれちまうよ。』 [半]『……………………………はぁ。島津…もう少し、大人しくて静かで五月蝿くなくて落ち着きがあって空気が読めて戦馬鹿じゃなくてドッシリと構えていられる人間だったら良かったのに。』 それ…もう、島津じゃない…別人です。 [林]『えっと…お豊さんに、良いところはないのか?』 恐る恐る訊ねる林太郎を、ギラリと睨み付ける服部。 [半]『………………………あったとしても認めない。島津、許すまじっ!!』 そこの怨みからの全否定ですか。 大人気ないにも程があるだろ。 [林]『まぁ…人にも好き嫌いあるしな。俺はお豊さん、面倒臭い人だと思ってるけど。』 そう言って、キラッと笑顔で俺を見る林太郎。 …………それ、笑顔で言う事とちゃう。 島津があまりにも不憫だ。 俺が何も言えずに苦笑っていると、発電機を運び終えたコンが近付いて来た。 [林]『コン、お疲れ様。』 [金]『俺は指示してただけで何もしてない。』 お前も同じ事を言うんかいっ!! 俺はそっと服部を見る…が、何も言う気配はない。 てめぇ…「労って貰ったならどう致しまして」じゃなかったのかよっ!? [コン]『あとは…あの役立たずが奇跡的に役に立って、船を寄越してくれるのを待つだけだな。』 お前等…島津へのアタリ強すぎないか?
/686ページ

最初のコメントを投稿しよう!