第1章

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 それからわたしは年を重ね、中等学校に入学いたしました。 中学生ともなれば、わたしの「いい人」としての振る舞いは、家の中だけにとどまりませんでした。  友人、先生方、あるいは近所に住む年配の方にまで、わたしは「いい人」らしく振る舞いました。  友人が課題をやる時には手を貸しました。 先生方が授業でつかう教材をはこんでいる時も、進んで手伝いました。 近所の方々にも同様に、なにか困っておられたら、すぐさまわたしは駆けつけました。  この頃のわたしも、まだ純粋でした。 人の喜ぶ顔、かけられる感謝の言葉、それが単純に心地よかったのです。
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