第1章

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 同僚達は、最初こそ見舞いにきてくれてはいましたが、数日もすれば、めっきり姿をあらわさなくなりました。 両親ですら、時たまの見舞いにあらわれては、すぐに帰っていく始末でした。  わたしが同僚達に、「一人では退屈だから、また顔を見せに来てはくれないか」と電話で告げても、彼らからはよそよそしい返事がかえってくるばかりでした。 それは電話の相手が両親であっても同じことでした。  わたしは次第に疑問をもつようになりました。 はたして自分は本当に皆から評価されているのだろうか、慕われているのだろうか。  幸い、ありあまる一人の時間は、この疑問を打ち破るのにうってつけでした。
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