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「ここはだれも住んでいないから、好きに使うといい」
ご老人はそう言って、にこりと笑いました。
わたしは精一杯の感謝の意を、ご老人に伝えました。
ご老人は
「あとで、わしの畑に行こう。ここで生きていくには、何か作物をつくらなければ、どうにもならんからな」と、おっしゃいました。
そして、畑に案内してもらい、ご老人から作物のつくりかたを教えていただきました。
さらに、ご老人は、自分の持っていた畑の一部を、わたしへ譲ってくださりました。
わたしは、感謝してもしきれない思いでした。
持っていた自分の有り金を、すべてご老人に渡すつもりでいました。
それでもご老人は
「気にするな。そんなものはいらん」と、ぶっきらぼうに、どこか照れくさそうに言うばかりでした。
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