第1章

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 わたしは、今までのことを、すべてご老人に話そうと決めました。 この汚い心のうちを隠したまま、村の優しい人々と接していくのが、たまらなくて仕方がなくなったのです。  わたしは、すべてを包み隠さずご老人に話しました。 今までわたしがいい人だったこと。 そのいい人という自分に溺れ、次第に歪んだ優しさを持つようになったこと。 すべてを捨てて、この村に来たこと。 そして、今この瞬間も、人からの優しさを疑って、それに怯えていること。
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