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ごろ寝
うちの部長は腰痛持ちだ、
なんども腰を痛めるためか会社でも寝転ぶ様になってしまった。
「腰痛とはいえ部長が仕事中寝転んでいては皆にしめしがつきません、
せめて座って仕事して下さい」
「元々四本足で歩いていた猿が立って歩く様になったのが人間、
直立する限り腰痛は直らん。
じゃからわしは四本足どころか寝転び大地を感じているのじゃ」
「いやいや怠けてるだけでしょ?」
「何を言う君、
ローマ帝国ではうつぶせで寝転びながら飯を食うことが贅沢じゃった、
さあおまえらも母なる大地の力を感じながら仕事するのじゃ」
こうして部長の命令で、
うちの部署は全員寝転びながら仕事する事になった。
当然緊張感はなくなって仕事効率は低下し、
社長に知られ全員倉庫整理の窓際族、
つまり一生出世出来ないポストに配置されてしまった。
しかし人をおしのけ自分を殺してまで出世する事は、
果たして幸せなのだろうか?
まるで修学旅行の様に仲間と寝そべり、
たまに倉庫整理するこのゆるやかな日々は幸せだ。
おっとあまりに暇で寝そべってばかりなので眠くなってしまった、
一生の大半を夢見ながら過ごすのも酔狂じゃないか。
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