お嬢さまは龍を喰らう

1/1
前へ
/23ページ
次へ

お嬢さまは龍を喰らう

22世紀の神聖日本帝国一の軍需企業、 早乙女財閥の御令嬢である望都は、 ウィンチェスター家さながらに自社兵器で死んだ宇宙人の亡霊が見えてしまう、 非常にカオスな悩みを抱えていた。 しかし帝立太極学園で知り合った人気者の先輩、 城香美にして正体は地球を創りし龍神の女禍に除霊してもらってからは一気に解決。 成り上がりらしい西洋風豪邸には似合わぬ、 香美が貼った中華風の護符を見ながら望都は熱くなっていた。 「ハアハアお姉様お姉様!お札からもお姉様の美しさ気高さが感じられて、 私は見ているだけでも幸せですわモグモグ」 「お嬢様、何故ご飯ばかりを何杯も召し上がるのですか? もっとバランス良く食事して下さい」 「いいからもっと注いで!モグモグ」 メイドは困惑しながら丼にご飯だけを山盛りにし続けていたが、 望都の暴食には護符を貼った城香美こと女禍も本来の姿で食事中困惑していた。 「護符から伝わって来るけど、 望都さんたら・・・・・ まさかあの娘、 私をおかずにご飯あんなに食べるだなんて・・・・・ 本当の私は貴女が思っている様なお姉様でなく妹だし、 人妻でドラゴンなのよ!」 しかし可愛い女の子が自分に此処まで懐いてくれる事に、 女禍自身も熱くなっていく。 「ハアハア望都さん!望都さん!やっぱり貴女は転輪聖王なの?モグモグ」 「女禍、何故飯ばかりを食らうのだ?」 「おかず食わないのか?」 「おかずなら食べて食べられているわモグモグ」 夫の伏羲は妻の奇妙な食事に困惑したが、 無茶し過ぎて負傷中の同僚神農は取り敢えず、 女禍の分の野菜炒めやフカヒレスープを自分とこに寄せて食べた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加