起動

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 つまり、彼女――いや、もうユキナと言わせてもらおう。ユキナは俺が出現(ポップ)させたジェノロップスを狩りたいがために、俺を助け、俺にパーティー申請をしてきたってことか。  ……そんなアホな。  色々とツッコミを入れたいところはあるが、基本中の基本のルール違反『横殴り』をしてしまうくらいだ、迷惑行為を楽しむ悪質なプレイヤーにも見えないし、単純にMMO初心者なんだろうな。MMO初心者にツッコミを入れても理解してくれるとは思えない。  ただ、一つだけ理解して貰いたいことがある。 「そういうことは、ちゃんと、しっかり、正確に、ありのままを説明してくれないかな……」  ほら、あんたの言葉足らずに気を使って、俺みたいに自分で色々考えちゃう人って多いと思うからさ……。 「そんなことより、来た」  俺との会話をバッサリ切り、ユキナは背中のバスターソードを抜き構える。  しかし、目の前には遺跡フィールドの土壁や瓦礫。崩壊した居住跡しか見えない。 「は? どこに?」  そう口にした瞬間だった。  ズドンッ!! という重い音で、俺の疑問に答えてくれたのは目の前に落ちてきたジェノロップス。  その衝撃でフィールドの大地を揺らす。  そして、大きく口を開き、 『グルオオォォォオッ!!』  耳をつんざく巨大な咆哮。  その咆哮は音波となり衝撃となり近くにいるものへ襲い掛かる攻撃となった。 「うぐっ!! ……っく……のわぁぁあっ!!」  突風にも似たその衝撃波は容赦なく近くにいた俺を跳ね飛ばす。
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