起動

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 『何故?』と、視線に疑問の念を込めて彼女を見るが、 「…………」  彼女もジッと俺を見ているので、図らずしも見つめ合う形になってしまった。 「っぅ……」  女の子に免疫なんてない俺はたまらず目を逸らし、自分の思考で彼女の行動の意味の理解に取り組む。  ――。  ――――。  ――――――――。  ……ダメだ。全く分からない。  固まったままの不甲斐ない俺の姿が彼女の視線に晒されるのも精神的に限界だ。ゆ、勇気を出して聞こう。  落ち着け俺。なんてことはない。むしろ、この疑問は持って当然とも言える。ゆえに、尋ねることも必然! 「あの、なんでパーティー申請を俺に?」 「必要……だから?」  疑問を疑問で返すなっ!! と言いたいとこだが、ちょこんと首を傾げる姿の破壊力が強すぎて、口を開ければ『ぐふふ』とニヤケ声が出てしまいそうだ。自重しろ俺。 「えっと、何に?」 「報酬」 「……ああ。なるほど」  やっと合点がいった。  多分彼女は何かのクエストを受けているのだろう。流石に受けた本人じゃないから内容まではわからないけど『人助け』とかじゃないだろうか。
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