やる方される方見てる方

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「俺は九条はもっと明るくなってもらいたいんだよ?」 「明るくしてどうしたいんだい?」 ここで読んでた本を閉じ、今まで見向きもしなかった一条に視線を向ける。 「・・・君の言ってることは迷惑以外のなんでもない」 その言葉に周りがざわめく。 ざわめきにも気にせず続ける。 「君の以外のことは迷惑であり偽善だ。君は落ちこぼれの僕に対して善意で言っているつもりだと思うけど、僕からしたらそれは迷惑だ。・・・そして周りから見れば僕に批判的になる」 「偽善って。・・・それに迷惑って」 「真実さ。本人が善意で言ってるけど得られる結果は自己満足さ。僕はネクラな劣等生だけど一人でいたいんだよ。一人でいたい気持ちも考えず、善意を押し付けてくるんだ。迷惑だ」 批判的な言葉にざわついてた生徒が話すのを止め、幾人かの生徒は九条を睨む。 「優等生の一条君。周りを見てみなよ?みんな黙っている上に何人かは僕を睨んでいる。皆はこう思ってるのさ『優等生の一条君の善意を無下にした上に、一条君のことを迷惑扱いなんて』ってね?」
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