殺し屋と呼ばれる少年

5/7
前へ
/18ページ
次へ
「ふっ!」 バンバン 「おっと」 レーシェルの放った二発の弾は、シオンに掠りもせずに屋敷の壁を削った。 「この距離で当たらないの!?」 「レーシェル!俺に任せろ!」 怯むレーシェルを横目に、ゼスは大剣を振り上げてシオンに斬りかかる。 シオンはそんなゼスを見て一言。 「今すぐ攻撃を止めればリーダーと副リーダーの暗殺をやめてあげるよ」 「っ――!?」 ピタっとシオンの目の前で大剣が止まる、しかしゼスの首には赤い長刀の刃が突き付けられていた。 「よく止めたな、もう少し進んでたら【赤錆】の錆びになってたからな?」 シオンが言う【赤錆】とはこの赤い長刀のことだ。 長年に渡って血を浴び続けた長刀は、刀身に血が染み込んでしまった。 そしてシオンは、自らこの長刀に【赤錆】と名を付けたのだ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加