第1章

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出会い 「ん~~!今日は妖怪日和だな~☆ …にしても、100年でこの辺もすっかり変わったの~、そろそろあやつに手紙が届いてる頃かの…………行くか。」 時に皆さん、家のポストに手紙が入っていてもおかしくはないでしょう。 それが巻物だったら?しかも内容が、 妖狐、来ます!! のひとことだったら? 普通の人はいたずらだと思い、無視をするでしょう。 俺、音羽創平も無視をした。いちいち気にかけるのもめんどくさいからだ。 俺のモットーは、「やりたくない事は、やらん!」だ。いわゆる消極的なんだ。 しかし今、俺はとてつもなくめんどくさい事に出くわしている。…目の前に妖狐がいるのだ。しかも幼い… 「来たぞ☆!」 ヤバい…何かに目覚めそうだ… 「…来たって、何しに?」 「…何しに?」 は?何言ってんの?と、いった表情だ、…にしても、色々とアウトな気がする。キツネ耳に尻尾まで生えてる?それに着物なんて…なんて高ステータスなんだ… 「何ってそれは、寝床の確認に決まっとろうが。ちゃんと手紙に書いておったろ?」 「は?手紙ってあの巻物?」 「うむ、その通りだ、ちゃんと炙ったか?」 「炙る?あのぶっとい巻物を?」 「?最近はやりなのではないのか? …まあ、よい。この屋敷はいい場所なのだ、近くに商店街もあるしの、これからここで世話になるぞ♪お主、名はなんと言う?」 「…音羽創平だけど、」 「オトバソーヘイ?イイ名じゃの、わしは妖狐、迷子の狐の妖怪じゃ、好物は油揚げじゃ、これからよろしくの♪」 これが、俺と妖狐の出会い、なんの目的もなく生きてきた俺が、これからめんどくさい事になることは、今は知ることもない。
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