1790年 イタリア・ジェノバ ニコロの部屋

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少年は男を素早く観察した。 こいつは敵か、味方か? 「あの」 「ああ、悪かった。私の名はレグバ」 「スィニョール・レグバ?」 「シィ」 男は足を組み替えた。 ずいぶん長身に見えるけど。 「あんたは誰? どうやってこの部屋に入ってきたの? 悪いけど僕、今忙しいんだ」 ニコロは少しいらだった口調で早くこの部屋を出て行ってくれ、というようにドアの方を見た。 だが、男は慌てず両手を広げた。 「おいおい、君が私を呼んだんだろう?」 「え?」
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