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耳元であんなに、何回も何回も甘い声で愛の言葉を囁かれてもうて……。
ドクン、ドクン、ドクン。
思い出してまた、心臓の音が大きくなる。
ドキドキして眠れないなんて。
「思春期の女の子でもあるまいし」
自虐的に笑ってみる。
ザー……、ザー……
雨の音を聞くのは好き。
だけど今日は切なくなってまう。
その音に混ざって、恋人さんの安らかな寝息が聞こえる。
こんなん……。
「僕ばっかりが、好きみたいやん」
作った笑顔とは裏腹に、涙がぽろりと零れた。
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