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父親に話しかけると、笑顔でやり取りをしている。 感触は良好なよう。 小野寺さんが父親からカメラを受け取り、親子揃って石碑の前で記念撮影をした。 そして、小野寺んに手招きされて、私も傍へかけ寄ってゆく。 「こんにちは」 「こんにちは」 優しそうなお父さんの挨拶を受け、私も笑顔で返す。 その傍らで、ちょっと恥ずかしそうにしている男の子。 私は腰を屈め、少年に目線を合わせて話しかける。 「こんにちは。何年生?」 「小学校1年生」 「1年生で、あの崖登ったの!?」 まさか、そこまで幼いとは思っていなくて、つい大きな声をだしてしまった。 そんな私の勢いに怖気付いたように、男の子は父親の方へと近寄る。 すると、小野寺さんが少年の頭を優しくぽんと手を乗せて、優しく微笑んだ。
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