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小野寺さんも陽介君の目線まで屈んで、自分の名を名乗る。
「お兄ちゃんは女の子みたい。あべこべだね。アハハ!」
「ホントだ」
屈託なく笑う陽介君につられて、私も小野寺さんも顔を見合わせて笑った。
陽介君の言う通り、本当に、私達は何から何まであべこべだ。
でも、それが私達らしいって思えて、自然と顔が綻んだ。
「ほら、陽介。パパ、お兄ちゃんたちの写真を撮ってあげるから、ちょっと後ろで待ってなさい」
「はーい」
「では、撮りましょうか」
「はい。お願いします」
小野寺さんの携帯を渡し、二人で石碑の前に立つ。
初デートがまさかの登山。
でも、こんな初デートも、あべこべな私達らしくって、いいんじゃない?
私は満面の笑みで、小野寺さんとの初のツーショットを撮り終えた。
「ありがとうございました」
二人で陽介君のお父さんにお礼を述べる。
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