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小野寺さんが『大丈夫』と言えば『大丈夫』
身体は恐怖で震えているけれど、心はどこか安心していて。
ゆっくりと下りながら、お互い信頼しているのが、恋愛の第一関門突破って言っていた小野寺さんの話を、身をもって実感する。
大袈裟だけど、自分の命を小野寺さんに委ねているようなもの。
彼になら、抵抗なくそれが出来るってことだ。
これって、ホントに凄いことかもしれない。
漸く地面に到達すると、緊張の糸が切れて、足元がふらつき、小野寺さんの腕の中へ自分から入り込む。
「はあぁー…死ぬかと思った」
「死なれたら困るから、頑張ったでしょ」
「うん。ありがとう、小野寺さん」
「どーいたしまして」
甘いマスクが、目の前でふわりと微笑んだ。
木々の緑と眩しい陽射しの陰影が、その笑顔を更に引き立てて…眩しくて。
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