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「何、食べよっか?」
「…何でもいいですけど」
「あ!そうだ!ハイキングの後には、やっぱバイキングで!どう、これ?」
「……」
初デートのランチの誘い文句が、まさかの親父ギャク。
うわぁ…ホントにこの人って…
呆れて言葉が出ない。
「あれ?お気に召さない?」
「バイキングでいいですよ。久々まともに運動したんでお腹すいてるし」
「じゃ、決まりだね!」
私の答えにご満悦な表情で、小野寺さんは意気揚々と歩き始めた。
「ハアー…」
能天気な彼に気付かれないよう、小さく溜息をして肩を落とす。
何だろ、このガッカリ感…
ほんのちょっと前まで、ドキドキとトキめいていたのに。
この人、これが恋愛の練習だってこと忘れてるんじゃないの!?
ご機嫌に鼻歌歌って、呑気に歩いている目の前の男に、段々腹が立ってきた。
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