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私の応対で、文書が届いていないことを察したのだろう。
「お疲れ様です。総務の小野寺です。浜本係長はいらっしゃいますか?」
浜本…という名前が聞こえ、つい眉間に皺が寄る。
谷嶋主任と同レベルで嫌いな奴だ。
「昨日お願いした文書の件なのですが……はい……それで……」
電話口でやり取りしている小野寺さんの表情を見ていれば、私もおのずとわかってくる。
ああ…こりゃ、ダメだな。直接、品管に出向いた方がいいな…
小野寺さんが内線を切ると同時に私は立ち上がる。
「品管、私が行ってきますよ」
「いや、俺が…」
「小野寺さん、その資料の修正、急ぎでしょ」
「うん。でも…」
「文書を受け取りに行くぐらい、私でも大丈夫でしょ?」
「……」
被せ気味に主張すると、小野寺さんは眉尻を下げて、立ち上がっている私を上目使いで見上げる。
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