Love,too Death,too

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[時、少し戻る―]  私は微睡みの中で幸せな夢を見ていたらしい。  彼と共に暮らし、平凡だけど幸せにいる、そんな夢。  決して叶わないとはわかっていても、私はその夢の中の彼に依存する。  とりあえず、そんな幸せな夢は白々と惨めに醒めていき、今日はいつもより寝起きが悪かった。正直、最悪である。 「………あれから半年……か……」  私はベッドの横の写真立てを手にとった。写真は彼が写っており、満開の枝垂桜の木の下で微笑んでいた。 「……今は新しい彼女と仲良くしてるのかなぁ……?」  そう呟きながら、私は重すぎる身体を引き摺るように起こした。  今日は日曜日。仕事も学校もない。流れる時間の音を時計の秒針に感じながら、私はふらふらとキッチンに行ってインスタントコーヒーを淹れる。 「…………」  いつもと変わらないコーヒーを飲んでいると、私の目から冷たい滴が流れていた。  私は、泣いていたのだ。  大好きだった彼から棄てられて半年。私は一体何をしていたのだろうか?  こうして泣くことで彼との思い出を繋ぎ止めることが出来るとも思っていたが、実際は彼は遠ざかるばかりで。結局、私はあの夢のように静かに彼を諦めて去ってしまえばよかったのだろうか?
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