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そして吉継本人だけではなく、周囲の者達がギョッとする中、一気に茶を飲み干すと。
「あまりの美味さに、つい飲み干してしまいました。新しいお茶を、頂けますか?」
にこり、と笑って空の茶碗を差し出したのは、同郷の友である石田三成だった。
……三成は、吉継の嘘を知らない。
けれど、三成は全く躊躇わずに吉継が口を付けた茶を飲んだ。更に、吉継を実の息子のように可愛がっている秀吉が気付く前に、場を丸く収めたのである。
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