第二十八章

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「さてと…」 夜斗は首をバキバキと鳴らし、辺りに広がる戦場を見据えた。 あの件から約二ヶ月が経った。 何と言っても戦争が始まった。 幕府軍と倒幕軍との争いだった。 夜斗は幕府軍、新撰組にいた。 あれから沖田の病状は悪くなる一方、局長である近藤も御陵衛士の生き残りに狙撃され重傷を負った。 「夜斗、無茶はするんやないで。」 「大丈夫ですってー!」 夜斗は笑っていた。 山崎は溜め息を吐く他なかった。 ほんまならこんなところに出したくないんやけど… 夜斗にあんだけ頼まれたら… 『絶対、私も行きます!行かなかったら私は何のために此処に残ったんですか!』 いつになく凄い剣幕で頼んできおって… こっちの身にもなれっちゅうのに… 「山崎さーん?」 山崎の前で手を振って笑っている。 山崎はまた溜め息を吐いた。
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