803人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
息を飲む私の体を押しやって、ゼロさんはベッドに座り直した。
伏せた顔に手をやっているけれど、乱れて落ちた黒髪に阻まれ、何をしているか分からない。
一呼吸の後に上げられた顔を見て、私の心臓は衝撃に潰されそうになった。
黒髪の隙間から覗くのは、薄い緑と金色を混ぜたような、不思議な色の虹彩────!
唯一無二のそれを、なぜ目の前にいるこの男も持っているのだろう。
考え得る限りの理由を、猛スピードで脳内処理しても、散文的な推理しか出てこない。
最初のコメントを投稿しよう!