Shot【2】

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「ああ、君は危険人物だからね。…縛らせてもらったよ。」 陽一とかいう男が無表情でそう言った。 「今の…死んだ人間を生き返らせられるって話…本当ならば、助けたい人がいるんだ!!」 僕は興奮していた。 「おじいさん、僕は冷静じゃなかった…謝ります。本当にすみませんでした。」 「いや、助かったからわしはいいが…のう、陽一。こやつがカメラを選んだのではなく、カメラがこやつを選んだ、としたらどう思う?」 陽一は首を傾げた。 そういえば…あの時。 カメラを選ぼうとした時。僕は手前のシルバーボディを手に取ろうとして…、 「耳鳴りがした。…で、奥のブラックが物凄く気になって、つかんだ瞬間、耳鳴りが消えたんだ。」 「ほう。やはりおぬしは選ばれたのじゃな。」 「嘘、かもしれないよ。」 陽一が僕をにらむ。 「嘘じゃない!…僕は丸みのあるボディのカメラは普段ならば絶対に選ばない。こだわりがあるんだ。…今にして思えば、あのカメラを選んだのは自分の意志ではないよ。」 信じてもらえるだろうか。 じいさんの方は「カメラが人を選ぶ」という感覚を知っているようだが…。 「慎也君。…僕はね、以前やはり君のように、ここでカメラを買ったある人間に、大事な人を殺されているんだ。…そいつの時も、君と同様に耳鳴りがした、との証言がある。」 「デス・フォーカスは1台だけじゃないのか?」 陽一は首を縦に振った。 「君の所有以外に、もう1台ある…いや、あった。それは僕が破壊したからもう存在しない。実際に世の中に何台散らばっているのかは、分からない。誰が、何の目的であれを造ったのか…それも不明だ。」 分からない事だらけだな。
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