Shot【2】

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「おや、おや!もう2度と来ないんじゃなかったのかい?」 老人はゴルフセットを磨きながら、僕に笑いかけた。 「あんたのせいで、二人死んだ!!どうしてくれる!?」 「ほう?わしのせいと?わしは何もしとらんが?」 すっとぼける気だな! 「僕に殺人道具を説明もなく売りつけただろ!!」 「はて?…わしの商売のモットーは、押し売りをしないというものじゃが?…カメラを選び、金を支払い、説明も聞かずに飛び出して行ったのは、どこの誰だったかの?」 う…。 「こんなの、詐欺じゃないか!!」 「落ち着け青年。わしは昨日、おぬしにカメラの説明をしたはずじゃ。なのに何故、死体が増えた?…おぬしが信じなかったのが原因ではないのか?」 「誰が、信じられますか!!…僕は…僕は、大好きな人を殺してしまったんだぞ!!…殺したいほど、憎い相手じゃなく、この世で一番好きだった人間をだ!!」 僕は老人に向け、カメラを構えた。 「殺してやるッ!!」 「待て!待てと言うに!おぬしは何も分かっとらん!!」 有無を言わせず、シャッターを切る。 老人は胸の辺りを押さえると、その場に倒れてしまった。 「はあ、はあ…悪いのは、お前だからなっ!!」 店を出ようとした、その時。 僕は後頭部に激しい痛みを感じ、そのまま意識を失ってしまった。
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