Shot【2】

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「小西…慎也。28歳か。僕と同い年じゃないか。じいさん、いつも言ってるだろ?客を見て、物を売れって。」 「わしも年かのう。こやつがカメラをキラキラした目で眺めておったからな、つい。しかし、おぬしが来てくれて命拾いしたわい。」 気がつくと、僕の目の前には二人の人間がいた。 「おお、もう気がつきおった。」 僕が殺したはずの、ジャンク屋店主。 なぜ、生きている? 「兄さん、駄目だよ。無闇矢鱈に人を殺しちゃあ。」 おそろしく背の高い男。 身なりは普通の青年だが、目付きが死んだ魚のように濁って、しかも鋭い。 「初めまして。…僕はじいさんの孫の陽一と言います。慎也君と呼んでもいいですか。」 見ると、僕の社員証をひらひらさせている。 「…返せよ。」 「態度悪いな。ひとんちの爺ィを殺しておいてからに。」 そうだ。なぜ、爺ィは生きている? 「慎也君はこのカメラの機能を充分に理解していない。…デス・フォーカスなんて名前がついているけどね、実は奪った命を戻す事も出来るんだ。…現在、もう1つの命がこのカメラの中に入っているようだね。枚数カウンターが1となっている。」 …は?理解出来ない。 1度奪った命を、戻す事が出来る? 僕は立ち上がろうとして、気がついた。 手足が拘束されていたのだ。
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